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AI × 営業

インテントセールスとは?意味と仕組みをわかりやすく解説

Published · 2026.08.16Author · 伊藤 祐助Reading · 11 min
インテントセールスとは?意味と仕組みをわかりやすく解説12 / AI × 営業

インテントセールスとは、企業のWeb検索行動や情報収集の動きから「今まさに購買を検討していそうな企業」を特定する営業手法のことです。特定した企業に絞って、優先的にアプローチします。業種や企業規模といった属性だけでリストを作る従来型の営業と違い、「動いている企業」を先に見つけてから当たる点が特徴です。国内では株式会社Sales Marker(セールスマーカー)が提供するインテントセールスSaaSが、このカテゴリの代表例として知られています。

インテントセールスとは、企業のWeb検索行動や情報収集の動きから「今まさに購買を検討していそうな企業」を特定する営業手法のことです。特定した企業に絞って、優先的にアプローチします。業種や企業規模といった属性だけでリストを作る従来型の営業と違い、「動いている企業」を先に見つけてから当たる点が特徴です。国内では株式会社Sales Marker(セールスマーカー)が提供するインテントセールスSaaSが、このカテゴリの代表例として知られています。

Key Takeaways

  • 検索行動などのインテントデータをもとに、購買意欲が高そうな企業を優先してアプローチする。これがインテントセールスの基本の動き方
  • 属性ベースのリスト営業との違いは、「今動いている企業」を先に絞り込んでからアプローチすること
  • 国内ではSales Marker、SalesNowといった国産SaaSがこのカテゴリを牽引している
  • データだけでは決まらない。文面の質やタイミングが伴わなければ成果にはつながらない
  • 元データである「インテントデータ」自体の仕組みは別記事で詳しく扱う

インテントセールスの定義:何のためにある手法か

この手法は、一言でいえば「動いた企業から当たる」営業です。従来のリスト営業は、業種・従業員数・売上規模といった属性でターゲットを絞り込みます。ただ、属性が合っていても、その企業が今このタイミングで商材を検討しているとは限りません。

行動データ起点の営業手法は、この「今このタイミングで」を補う考え方です。企業サイトの閲覧、比較サイトでの情報収集、関連キーワードの検索といった行動データ(インテントデータ)を集計し、購買検討の兆しがある企業を抽出します。属性の絞り込みに、行動の絞り込みを重ねる。それが基本の構造です。

なぜ今、注目されているのか

背景はシンプルです。属性だけのリストにアプローチしても、送る相手のほとんどはまだ検討段階にすらいません。的外れなアプローチが増えれば、営業側の工数も、受け手の心証も削られます。

日本では20〜30代のSDR(新規開拓担当)人材の不足と人件費高騰が進んでいます。限られた人数でアポ獲得の効率を上げたい、という声は商談の場でもよく聞くようになりました。「当たる母数を絞り、当たった時の確度を上げる」という発想は、この流れに乗って広がってきました。


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仕組み:インテントデータからアプローチまでの流れ

実際の動きは、おおむね次の4段階です。

  1. Webサイトの閲覧、検索キーワード、比較サイトでの情報収集といった行動データを収集する
  2. 行動データを企業単位に紐づけ、購買検討度合いをスコアリングする
  3. スコアの高い企業を優先順位付きのターゲットリストとして生成する
  4. リストに対してアプローチ(メール、電話、フォーム、SNSなど)を実行する

この収集・スコアリングの元になる「インテントデータ」が具体的に何を指すのか、どこまで取得できるのかは、これだけで1本の記事になるボリュームです。詳しくはインテントデータとはにまとめています。

国産ツールについて(Sales Marker、SalesNowなど)

国内でこの領域の文脈でよく名前が挙がるのが、Sales Marker(セールスマーカー)とSalesNow(セールスナウ)です。Sales Markerは、Web検索行動データから購買意欲の高い企業を特定する国産のインテントセールスSaaSです。SalesNowは、業種・規模・採用動向などの条件で法人リストを作成できる国産の企業データベース営業ツールです(各社公式サイト情報)。

著者自身も、こうした国産ツールがいくつか存在するという認識は持っています。ただ、実際に導入して比較検証したことはまだありません(正直に書いておきます)。各社の機能差・料金・データカバレッジは、導入検討の段階で公式情報を直接確認することをおすすめします。

インテントセールスの限界・注意点

言葉の響きが良いぶん、万能ツールのように語られがちです。ここでは限界を先に書いておきます。

データが取れても、アプローチの精度や文面の質が伴わなければ成果にはつながりません。「購買意欲が高そうな企業」が分かっただけで、送る文面がテンプレートの一斉送信であれば、結局は的外れなアプローチと変わらないからです。インテントデータは入口の精度を上げる材料であって、それ自体が成約を保証するものではありません。

業種によっては、検索行動そのものが起きにくいケースもあります。既存の人脈や紹介経由で意思決定が進む商材では、Web上の行動データにシグナルがほとんど現れません。この場合、この手法の効果は限定的になります。

データの取得元やカバレッジの透明性も、導入前に確認しておきたいポイントです。どの範囲の企業行動を、どういう仕組みで取得しているのか。ここが曖昧なツールは、精度を検証しようがありません。

もう一つ、構造的に押さえておきたい限界があります。シグナルが立った企業は、その領域の必要性を既に感じて自ら情報を集め始めた段階です。ということは、その企業は多くの場合、既に競合や比較対象を認識していて、問い合わせや比較検討を回している状態にあります。マーケティング費用を投下している競合企業は、この時点で既に候補に入っていて、認知が薄い企業ほど後から検討面に割り込むのは難しくなる。逆に、まだニーズが顕在化していない潜在層にアウトバウンドで先に認知を取れば、検討が始まったときの第一想起になれる可能性が出てきます。「誰がインテントセールスを使うと効くか」も論点で、市場での認知が既にある企業や指名検索が回っている企業ほど、シグナル起点の検討面で拾える相手が多くなります。認知が薄い段階の企業は、インテントセールスで検討層を追うよりアウトバウンドで潜在層に先に認知を取る戦い方の方が費用対効果が合うケースも珍しくありません。自社の市場ポジションから逆算する判断です。

GTMエージェント・ターゲティング戦略との関係

インテントセールスが答えを出せるのは「誰に当たるか」の一部分だけです。属性・行動データ・自社の商材特性を組み合わせてターゲティング全体を設計する考え方は、ターゲティング戦略の記事にまとめています。

ターゲティングの設計から、決裁者リサーチ、アプローチ文面の生成、送付、結果の改善までを一気通貫でAIに任せる考え方もあります。これがGTMエージェント(Go-To-Market=市場開拓の設計から実行までをAIが担う仕組み)です。インテントデータはその中のインプットのひとつという位置づけになります。

よくある質問

インテントデータとインテントセールスの違いは何ですか?

インテントデータは、購買検討の兆しを示す行動データそのものを指します。インテントセールスは、そのデータを使って優先順位をつけ、実際にアプローチする営業手法です。データが素材、セールスがそれを使った実行、という関係になります。

中小企業やスタートアップでも使えますか?

営業専任が少ない会社ほど、限られたリソースを購買意欲の高い企業に集中させる意味は大きくなります。ツールによって料金や必要なデータ量が異なるため、自社の商材にどこまでシグナルが出やすいかを見極めてから検討するのが安全です。

Sales MarkerとSalesNowはどちらを選ぶべきですか?

正直なところ、本記事の範囲では両者の詳細な機能差までは検証できていません。提供する企業もデータソースも異なります。自社が欲しいデータの種類(検索行動なのか、企業属性なのか)を先に決めてから、それぞれの説明会や資料で確認するのが早いと思います。

インテントセールスを始めるには何が必要ですか?

インテントデータを取得するツールに加えて、「どの企業のどのシグナルを重視するか」というターゲティングの設計と、実際にアプローチする体制の3つが揃って初めて機能します。ツールを導入しただけで自動的に成果が出るわけではありません。

まとめ

  • 検索行動などのインテントデータを手がかりに、購買意欲が高そうな企業を見つけて優先的に当たる。それがインテントセールスの骨格
  • 属性ベースのリスト営業との違いは、「今動いている企業」を先に絞り込む点にある
  • 国内ではSales Marker、SalesNowといった国産SaaSがこのカテゴリの代表例
  • データだけでは成果は決まらない。文面の質・タイミング・業種特性が伴って初めて効果が出る
  • ターゲティング全体の設計や、実行までを含めた自動化を検討する場合はGTMエージェントの考え方も参考になる

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著者: 伊藤 祐助 株式会社GSS研究所 代表取締役。野村證券で全セールス約1,600名中1位・CEO表彰4回。フィンテック企業400Fでエンタープライズ営業責任者として最大1.56億円の契約獲得・ARR約3.5億円拡大。現在はGTM AIエージェント「ウルノバ」を開発・運営し、営業代行会社のCCOとして約20の営業プロジェクトを統括。

市場での認知が既にある企業や指名検索が回っている企業ほど、シグナル起点の検討面で拾える相手が多くなります。