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AI × 営業

SDRとは?BDRとの違いをわかりやすく解説

Published · 2026.08.16Author · 伊藤 祐助Reading · 11 min
SDRとは?BDRとの違いをわかりやすく解説11 / AI × 営業

SDRとは、問い合わせや資料請求などインバウンドで反応した見込み客を精査し、商談化する営業職のことです(Sales Development Representative: セールス・ディベロップメント・レプレゼンタティブ)。BDRとは、自社から能動的に企業へ働きかけるアウトバウンド型の新規開拓担当のことです(Business Development Representative: ビジネス・ディベロップメント・レプレゼンタティブ)。どちらも役割は「商談を作るまで」で、受注はAE(Account Executive: 受注担当営業)が引き継ぎます。

SDRとは、問い合わせや資料請求などインバウンドで反応した見込み客を精査し、商談化する営業職のことです(Sales Development Representative: セールス・ディベロップメント・レプレゼンタティブ)。BDRとは、自社から能動的に企業へ働きかけるアウトバウンド型の新規開拓担当のことです(Business Development Representative: ビジネス・ディベロップメント・レプレゼンタティブ)。どちらも役割は「商談を作るまで」で、受注はAE(Account Executive: 受注担当営業)が引き継ぎます。

Key Takeaways

  • SDRは反響型(インバウンド)、BDRはアウトバウンド型の新規開拓担当。分業の発想は米国のSaaS営業組織から広がった
  • 日本ではこの分業が厳密でなく、SDRを新規開拓全般の呼び名として使う会社も多い
  • 年収相場はSDR(反響型)400万〜600万円、BDR(新規開拓型)500万〜800万円(doda公開求人・JAC Recruitment, 2026)
  • 採用しても戦力になるまで少なくとも3ヶ月はかかる。翌月からアポが積み上がる前提で計画すると崩れる
  • 分業だけでは商談化率は上がらない。ターゲティング設計まで含めて任せる、GTMエージェント(Go-To-Market エージェント)という選択肢も広がっている

SDRとは:反響(インバウンド)を商談化する役割

SDRは、Webサイトからの問い合わせ、資料請求、ウェビナー参加といった「相手から接点を作ってきた」リードに対応する役職です。主な業務は次の3つです。

  1. リードの精査(予算・決裁権・必要性・導入時期などの確認)
  2. ヒアリングによる課題の言語化
  3. 商談化してAEへ引き継ぐ

反響対応が起点になるため、リードの温度感はもともと高めです。ただ、資料請求しただけで「まだ検討していない」層も混じるので、精査の丁寧さが商談化率を左右します。

BDRとは:アウトバウンドで新規開拓する役割

BDRは、まだ接点のない企業に自社から働きかける役職です。業務はターゲット企業のリストアップ、決裁者の特定、コールドコールやDM、フォーム営業などでの初回接触まで。

SDRとの違いは、リードが向こうから来ない点に尽きます。言ってしまえば、関係性をゼロから作る仕事です。ターゲティングの精度、リサーチの深さ、粘り強さが問われる分、育成にも時間がかかります。

SDRとBDRの違いを一覧で比較

比較軸SDRBDR
リードの起点インバウンド(問い合わせ・資料請求)アウトバウンド(自社からのアプローチ)
主な業務リード精査・ヒアリング・商談化ターゲット選定・リサーチ・初回接触
求められるスキルヒアリング力、スピード対応リサーチ力、粘り強さ、仮説構築力
リードの温度感比較的高い(自ら接点を作ってきた)低い(接点がゼロから始まる)
日本での呼称単独で使われることが多いSDRに統合され、別職種として置かれないことも

表にすると分かれて見えますが、日本の中小規模の組織では1人が両方を兼任するケースの方が実は多数派です。分業が成立するのは、インバウンドとアウトバウンドの両方が一定量あるフェーズに入ってからです。


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SDR/BDRの年収相場と採用後の立ち上がり期間

求人ベースで見ると、SDR(反響型)とBDR(新規開拓型)の年収には違いがあり、SDRは400万〜600万円、BDRは500万〜800万円が相場です(doda公開求人・JAC Recruitment, 2026)。BDRの方がやや高めなのは、接点ゼロから関係を作る難易度が評価に反映されているからでしょう。

採用してからの立ち上がりにも時間がかかります。私の感覚では、採用してから戦力になるまで少なくとも3ヶ月はかかる。3ヶ月あれば細かい指示なしにひと通り動けるようにはなりますが、成果が出るのはそこからまた別の話です。日本では20〜30代のSDR人材不足と人件費高騰が、採用を難しくしている背景にあります。

採用が難しい会社の選択肢はSDRが採用できない時の代替策で整理しています。

SDRとBDR、分けるべきか一本化すべきか

分けるかどうかの判断基準は、次の3つで考えるとぶれません。

  • リード量: インバウンドが月20件を超えるなら分業のメリットが出やすい
  • 商材単価: 単価が高いほどアウトバウンドの投資対効果が出やすく、BDR専任の意味が増す
  • チーム規模: 5人未満なら兼任、10人以上なら分業を検討する目安

小規模なうちに無理に分業すると、どちらの役割も中途半端になりやすいです。まず兼任で回し、リード量と商材の解像度が上がってから分ける方が、順序としては素直です。

SDR・BDRを分業しても解決しない課題

正直に書くと、SDRとBDRを置いただけで商談化率が上がるわけではありません。誰を狙うか、というターゲティング設計が曖昧なままだと、SDRもBDRも「量をこなす係」になってしまいます。役割分担は実行の効率化であって、戦略の代わりにはなりません。

もう一つの課題は、育成と定着。BDRは特に成果が出るまでの期間が長く、途中で心が折れやすい仕事です。仕組みで支える体制がないと、育成コストをかけた人材から辞めていくという悪循環が起きます。

この実行部分を、そのままAIに渡す動きも出てきました。リスト精査や文面生成、送付までを自動化する仕組みはAI SDRの仕組みと限界にまとめました。ターゲティング設計まで含めて任せたい場合は、より上流を担うGTMエージェントとは何かが近い概念です。

BDR を単独部隊で持つのが難しい構造

もう一つ、日本の現場で見えてくる論点があります。BDR を内製で持つなら、後ろの商談・受注まで一気通貫で持たせる方が価値が出やすい、という話です。

理由はシンプルで、受注率が高いのは基本的に SDR が捌くインバウンド案件です。もし後ろのパイプライン対応(商談・受注)が別部署の商談専門チームで、SDR 案件も BDR 案件も同じキューに入ると、担当者は自然と受注率の高い SDR 案件を優先します。すると BDR がせっかく獲得した難しいアポが後回しになり、失注や放置につながる。これが起きると BDR チームの成果指標(受注貢献)は下がり、投資対効果が説明しづらくなります。

一方、BDR に商談・受注まで持たせて一気通貫にすると、次の 3 つが揃います:

  • 広告費をかけず営業だけで完結する — マーケ費用に依存しないので、投資構造がシンプル
  • 獲得した本人が受注まで責任を持つ — 難しいアポも自分で捌くので、優先度の逆転が起きない
  • ROI が測りやすい — 1 チームの人件費に対して受注額が直接紐付くので、投資判断が明確

こう考えると、BDR を単独部隊として置く構成そのものが実は難易度が高い、というのが現場的な実感です。分業モデルは米国のインバウンド量が潤沢な環境で最適化された形で、日本の中小・中堅企業のように商談本数が限られる環境では、無理に分業するより一気通貫の営業ロールにした方が結果として ROI が合いやすい、というケースが多いと思います。分業を検討する前に「BDR の獲得したアポが後ろで確実に捌かれる仕組み」が組めるかを見た方が良さそうです。

よくある質問

SDRとBDRはどちらを先に置くべきですか?

インバウンドの問い合わせがある程度発生している会社ならSDRから、まだ問い合わせがほとんどない会社ならBDRから検討するのが自然です。両方ゼロに近い場合は、どちらを置くよりも先にターゲティングとチャネル設計を固める方が優先度は高いと思います。

インサイドセールスとSDRは同じ意味ですか?

厳密には別です。インサイドセールスは非対面営業全般を指す広い言葉。SDR・BDRはその中の「新規開拓」に特化した役割にあたります。企業によっては両者を同じ意味で使っていることもあり、求人票を見るときは業務内容の説明まで確認した方が確実です。

SDR・BDRの業務はAIで代替できますか?

リスト精査や初回文面の生成、送付。この実行部分はAIに任せやすい領域です。ただ、ヒアリングの微妙なニュアンス判断や、最終的な商談化の見極めは、現時点では人間の関与が必要な部分が残っています。

未経験からSDR・BDRになれますか?

なれます。求人市場でもポテンシャル採用の枠は一定数あります。ただ育成には時間がかかる。採用側が覚悟を持って計画を組まないと、即戦力を期待した未経験採用は双方にとって不幸な結果になりやすいです。

まとめ

  • SDRは反響型(インバウンド)、BDRはアウトバウンド型の新規開拓担当。役割は「商談を作るまで」で共通
  • 日本では分業が厳密でなく、SDRという呼称に統合されるケースも多い
  • 年収相場はSDR400万〜600万円、BDR500万〜800万円(doda公開求人・JAC Recruitment, 2026)。採用しても戦力化まで3ヶ月はかかる
  • 分けるかどうかはリード量・商材単価・チーム規模で判断する。無理な分業は両方を中途半端にする
  • 分業だけでは商談化率は上がらない。ターゲティング設計と、実行部分をAIに任せる選択肢まで含めて検討する必要がある

SDR・BDRという名前にこだわるより、まず自社のリード量とターゲティングの解像度を見るべきです。それが私の実感です。設計から実行まで含めて相談したい場合は、ウルノバReachのサービス概要も参考にしてください。


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著者: 伊藤 祐助 株式会社GSS研究所 代表取締役。野村證券で全セールス約1,600名中1位・CEO表彰4回。フィンテック企業400Fでエンタープライズ営業責任者として最大1.56億円の契約獲得・ARR約3.5億円拡大。現在はGTM AIエージェント「ウルノバ」を開発・運営し、営業代行会社のCCOとして約20の営業プロジェクトを統括。

SDRとBDRの分業は米国のインバウンド量が潤沢な環境で最適化された形で、日本の中小・中堅企業のように商談本数が限られる環境では、無理に分業するより一気通貫の営業ロールにした方が結果としてROIが合いやすい、というケースが多いと思います。